完成前の戸建て住宅の
内覧会や引き渡しが増加
新築一戸建ての工事が完了し、いよいよ住宅が購入者の手に渡る「引き渡し」。引き渡しの前段階として、住宅の仕上がりを確認するための「内覧会」「竣工(完成)検査」が実施される。
さくら事務所はこれまで、専門的見地を持つ第三者として多くの内覧会や検査に立ち会ってきた。依頼が集中するのは1月~3月、いわゆる年度末に当たる期間だ。ハウスメーカー・工務店の決算の関係上、また新生活のスタートを切るタイミングも相まって、この時期の依頼は多い。
当然ながら、住宅の「内覧会」「竣工検査」「引き渡し」は住宅の完成後に行われるものだ。ところが残念なことに、住宅がまだ完成していない状態であるにもかかわらず、内覧会や引き渡しが実施されているケースも少なくない。
工期が大幅に遅れる中で、引き渡しを急ぐあまりに、各種不具合や施工不良も頻発する。本来はあってはならないはずの未完状態での引き渡しだが、特にこの年度末は、未完状態での内覧会・引き渡しが目立った印象だ。