定期借地権付きマンションを買うと大儲けしやすい意外な理由土地を所有する通常のマンションと違い、土地が借り物となっている「定期借地権付きマンション」をご存じだろうか。一見すると居住や投資には向かなそうだが、実は買うと大儲けできる可能性がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

定借マンションって何だ?
知られざる驚きの取引市場

 私は定借マンションを住み替えて、1億円の値上がり益をつくった。その手法を紹介しよう。

 定借とは「定期借地権」のことを指す。通常のマンションは土地を所有するが、定借は土地が借り物になる。それも定期とあるので、原則一定期間後に建物を壊して更地で土地を返さなければならなくなっている。その期間は50年以上なのでかなり長いものの、期間経過後は価値がゼロになるので、50年なら「100%÷50年=2%」の価値の減少が確定していることになる。

 こうなると、土地も所有できる一般的なマンションより資産性が小さいと思われ、購入する人はたいてい躊躇することになる。買った直後から値下がり幅が大きいようなら、買うに買えないのは当たり前だ。それを緩和するために、新築定借マンションは土地所有のものと比較して85%程度の価格設定がなされるのが一般的だ。そういう物件だから、価格に惹かれて集客はできても、資産性の懸念から売れ行きが悪くなりがちだ。特に新築マンションは一時期に大量の住戸を販売するので、販売側は「決めきれない顧客」への対応で大変である。

 では、定借マンションはおいしくないかというと、そうではない。冒頭で述べた通り、値上がり益を享受することができる。いったいなぜなのか。それを理解するために、土地を貸す側の論理を押さえておこう。意外かもしれないが、最近目立つのは神社だ。神社とマンションがコラボした著名な例を挙げておこう。

・東郷神社×パークコート神宮前
・成子天神社×パークタワー西新宿エムズポート
・赤城神社×パークコート神楽坂
・下鴨神社×J.GRAN THE HONOR 下鴨糺の杜
・梨木神社×イーグルコート京都御所梨木の杜

 下鴨神社にいたっては世界遺産である。実は、世界遺産の敷地内の居住者になることが誰にでもできるのだ。あるデベロッパーは「バチが当たる」と言い、こうした物件をやらない方針になったとか。いずれにしても、特別な場所であることに変わりはない。