ジョー・バイデン米大統領は近く、かつてないほどロシアとの関係を深めているサウジアラビアを訪問する。だが、ロシアと距離を置く、あるいは原油の増産拡大を通じて米国を支援する考えはないとサウジ当局者は明かす。巨大な産油能力という共通の強みに基づくロシアとサウジの接近は、石油の安定供給と引き換えに安全保障を約束するという米国とサウジの取り決めを覆した。両国の合意は半世紀近く続いており、第二次世界大戦後の国際秩序の根幹を形作っていた。ロシアのウクライナ侵攻開始の前後も、サウジは原油価格の押し下げに向けて増産拡大を求める西側の要求を無視してきた。原油価格は3月に1バレル=約140ドルに跳ね上がり、2月下旬以降、100ドルの節目を概ね上回る水準で推移している。
ロシア接近のサウジ、バイデン氏くさび打てるか
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