アマゾン・ドット・コムについて確かに言えるのは、簡単には諦めないということだ。ハイテク大手各社が示す勢力拡大の野心に対し周囲からの敵意があからさまになっている環境でも、最大手のアマゾンは止まらない。同社は年間売上高が今年5000億ドル(約68兆7000億円)を超えるとみられており、今年初めにはハリウッドの映画製作大手MGMを買収。今度は診療サービス企業を狙っている。同社は21日午前、「ワン・メディカル」の名でプライマリーケア(一次総合診療)サービスを提供するチェーンのワンライフ・ヘルスケアを現金39億ドルで取得することで合意したと発表した。今回の買収は、2017年の高級スーパーマーケット大手ホールフーズ買収時の137億ドル、今年3月に完了したMGMの85億ドルに続き、アマゾンにとって過去3番目の規模の案件となる。MGMの買収は完了までに1年近くと、ホールフーズ取得時の2カ月弱に比べてかなり時間がかかった。規制当局や議員たちは、ハイテク大手の支配が新たな分野に拡大することを懸念し、こうした買収案件を精査するようになっている。
アマゾンの野心、医療分野にブースター注入
初期診療を提供するワン・メディカルの買収で医療市場に力点 規模はごく小さい
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