海外出張に行って、さて自己紹介となったら、名前と肩書ぐらいしか話せなかった。そんな悲しい経験を持ってらっしゃる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。書籍『英語は最初の10秒!』は、そんな経験をお持ちの方のために作られています。著者の小池リオさんが、25年間のニューヨーク生活で気づいたこと。それは、日本人に本当に必要なのものは「愛嬌のある英語」ということでした。いくつかの「つかみネタ」を仕込んで、ちょっとユーモアを交えながら話すのが、『英語は最初の10秒!』の方法、「つかみイングリッシュ」です。本連載では、あなたの本来持つ素敵なキャラクターを存分に伝えるための方法をご紹介していきます。今日ご紹介するのは、10秒で外国人が微笑んでくれる、「名刺交換」の方法です。
「名刺交換」で相手の気持ちをつかむ!
名刺交換の際に、名前以外に話すことがなくて絶句してしまった方いらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時は、2行目に相手の気持ちをつかみ、喜んでくれるフレーズを使ってもらうのがおすすめ! です
早速例文をご紹介しましょう。
さらに名刺をもう一枚、本のしおりにでも。
●名刺です!
▶ Here’s my name card.
●さらに名刺をもう一枚、本のしおりにでも。
▶ And one more. Just as a bookmark.
外国人は片手でサッと名刺を出します。例のような感じで名刺を渡すと、ウィットを感じてくれて、覚えてもらえます。
以前、この例のように名刺を2枚渡しながら一言添えてくれた相手がいました。私は心をつかまれて、「ピーター」という彼の名前を今でも覚えています。彼をマネて、それ以来、私自身も毎回やるようになった方法です。
この例文の「英語方程式」は、
▶ Here’s my name card.
▶ And one more. Just as a “○○”.
になります。
いかがですか?
では、さらに、応用例も紹介してみたいと思います。
こちらです。
●名刺です!
▶ Here’s my name card.
●さらに名刺をもう一枚、メモにでも。
▶ And one more. Just as a memo.
●だからいつも名刺不足です。
▶ That’s why I always run out of my name cards.
3行目に、
「だからいつも名刺不足です」
▶That’s why I always run out of my name cards. という(理由フォロー)を入れると、外国はきっと微笑んでくれるはずです。
是非、ビジネスの現場や、カフェや酒場で試してみてください。
(『英語は最初の10秒!』より)
※本書には、この他にも、たくさんの「愛嬌のある自己紹介イングリッシュ」の例文が収録されています)
スタンドアップコメディアン
1967年2月27日生まれ。あのビヨンセも笑わせた、世界唯一の日本人プロスタンダップコメディアン。NYを中心に20年間の活動で世界中のセレブゲストを含む40万人以上を爆笑の渦に巻き込んだ実力派。大学時代は社交ダンス全日本準優勝。世界一を目指し単身渡米、LAダンス選手権準優勝。ダンス引退後はマジシャンに転向しハリウッドマジックキャッスルプロテスト合格。その後30歳でコメディーを始める。
丸覚えしたジョークがたまたま発表会でウケて、NYでコメディアンになる。元々は英語の成績は「10段階の2」。そのためアメリカ人コメディアン達と会話は全くできず、「リオと会話すると時間が短く済んで助かる」と揶揄される。クラブオーナーからは「あの日本人は挨拶もできないのか」と怒りを買いクビ寸前に。気の利いた英語挨拶術の習得が急務になる。どうせ日本人なのだからと開き直り、最初の「ハロー」から3分間の自己紹介を全て丸暗記したらバッチリ通用。相手が誰でもこちらはワンパターン英語でいいのだと発見。おかげでクビは逃れ、以来、英語が上手くなくても愛嬌のある日本人として可愛がられ大逆転。「つかみイングリッシュ」の企画は、その方法を日本人なら誰でもカスタマイズできるように整理し、まとめ綴ったもの。
自分に関係した「自分事」フレーズなら今までと違ってチャーミングに人間味までも伝わる。今まではすっ飛ばされていた英会話の入り口である「つかみ」を向上して、世界に「噂と違って、日本人は楽しい国民ばかりだな。もっと付き合ってみたいな」と思ってもらうのがミッション。