米株式市場は今年ずっと続いてきた低迷から必死に回復を図っており、回復の実現には全てがうまくいく必要がある。これを「ヘイル・メアリー・パス」作戦と呼ぼう(訳注:アメリカンフットボールのゲーム終盤に形勢逆転を狙ってイチかバチか投じられるロングパスのこと)。SP500種指数は約1カ月前に年初来安値を付けた後、約8%反発した。小型株は10%超値上がりしている。この安値が新たな強気相場の基礎となるためには、一つの基本的な必要条件があり、さらにもう一つの重要な要件も満たされなければならない。基本的な必要条件とは、深刻なリセッション(景気後退)が回避されることだ。2四半期連続で経済成長がマイナスとなる定義上の「テクニカル・リセッション」に陥る可能性はあり、それは今週明確になるかもしれない。しかし、広範な人員削減や消費の抑制によって企業業績が圧迫されるようなリセッションがあってはならない。