中国の習近平国家主席(69)は信頼できる部下を、共産党や政府の重要な政治的かじ取りをするポストに抜てきし、自身の権威を高めることで、5年間の続投に向けた準備を進めている。今秋開かれる5年に1度の党大会で、習氏は異例の3期目を目指す構えだ。ここ数週間、側近らを法執行やプロパガンダ(宣伝活動)を統括する要職に起用し、彼らがさらに高い地位に昇格する道を確保してきた。習氏支持を明言する者を昇進させ、最近の仕事ぶりが市民の怒りに直面していた自身の盟友をその役職にとどまらせている。一方、習氏の不興を買った者たちは冷遇され、あまり重要でないポストを与えられる。さらに習氏は数カ月前から、自身が権力を掌握した後の10年間を称賛するプロパガンダを強化。幹部らは習氏をますます熱烈に褒めそやし、党員に対して「領袖(りょうしゅう)」への忠誠を誓うよう呼びかけている。これは指導者を意味する敬称で、かつて「偉大な領袖」とたたえられた毛沢東を連想させるものだ。