サイバーエージェント初任給42万円、実は「法的な問題」を指摘される理由サイバーエージェントの新卒採用募集概要をもとに、弁護士ドットコムニュース編集部作成
*本記事は弁護士ドットコムニュースからの転載です。

 職場でトラブルに遭遇しても、対処法がわからない人も多いでしょう。そこで、いざという時に備えて、ぜひ知って欲しい法律知識を笠置裕亮弁護士がお届けします。

 今回のテーマは「80時間の固定残業代、法的には?」です。IT大手のサイバーエージェントが、2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げるというニュースが話題となりました(日本経済新聞2022年7月26日)。優秀な人材獲得をするための戦略として、ポジティブに捉える声も多くあります。

 ただ、同社の募集概要を見ると、月給制職種の場合は、固定残業代の相当時間が「時間外80時間/月、深夜46時間/月」となっています。ネットでは「もう少し基本給に割り振ってほしい」「固定残業代込みだったのか」など、驚く声も寄せられています。

 笠置弁護士は「法律でも制約されているような危険な長時間の時間外労働を従業員に行わせることを予定して、月額賃金のうちの一定額をその対価として定めることは、従業員の健康を損なう危険があるわけですから、大きな問題があると言わざるを得ません」と問題点を指摘します。