寄稿 不動産という虎に乗る習氏、落ちれば影響甚大Photo:Kevin Frayer/gettyimages

――筆者のデービッド・アッシャー、トーマス・J・デュスターバーグ両氏は米ハドソン研究所の上級研究員

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 新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)や住宅購入者の反乱で、中国の不動産市場が混乱する中、習近平国家主席は「虎に乗る」――権力を維持しながら、今の地位に自身を押し上げた無謀な政策にしがみつく――ことを試みている。だが中国人民銀行(中央銀行)の関係者が同国の不動産バブルについて語ったように、虎に乗ることの問題点は、もし落ちれば虎に食われることだ。習氏がその餌食となる可能性はどれくらいあるのか。

 中国の経済成長は、習氏が導入した厳重なロックダウンによって打ち砕かれた。中国政府は先月、新型コロナ危機で落ち込んで以来、最も低い経済成長率になったと明かした。4-6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比0.4%増にとどまり、前期比ではマイナス2.6ポイント。サービス部門は0.4%縮小した。6月の若年層の失業率は過去最高の19%に達した。