5年前、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国は経済の多角化とハイテク分野への参入を急ぐため、ソフトバンクグループが率いる「ビジョン・ファンド」に600億ドル(約7兆9800億円)を投じ、スタートアップ企業に狙いを定めて大胆な賭けに出た。  だが、投資リターンは期待を大きく下回っている。  最近のハイテク業界の低迷は、ビジョン・ファンドとその最大級の投資家であるサウジとアブダビに大きな打撃を与えている。これまで両国は、ロボットピザメーカーの米ズームピザや、シェアオフィス大手の米ウィーワークなどに大金を投じてきたが、いずれも裏目に出ている。