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「最近、お腹まわりが気になる」「若い頃より体重が落ちにくくなった」――中年期になると、こうした変化を実感する人も少なくないだろう。内臓脂肪が増えやすい時期だが、近年の研究では、その蓄積が脳の慢性神経炎症と関係し、認知機能の低下や将来の認知症リスクにつながる可能性が示されている。糖尿病やストレスなど、脳の炎症を引き起こす要因は身近な生活習慣にも潜んでいる。脳を健やかに保つために、日々の暮らしで意識したいこととは何か。脳機能研究者の川島隆太氏が解説する。※本稿は、脳機能研究者の川島隆太『脳を休める!』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
糖尿病が脳に
慢性炎症を起こす仕組み
理化学研究所の研究チームは、恐れや怒りなどの負の感情に関わる扁桃体が炎症を起こすと「認知機能障害」、記憶に関係する海馬が炎症を起こすと「抑うつ症状」、感覚情報に関わる視床の炎症で「頭痛や筋肉痛」になるなど、炎症の場所と症状に相関があると指摘しています。
では、なぜ脳の神経に炎症が起きるのか。慢性神経炎症を引き起こす疾患として、糖尿病が注目されています。
私たち日本人には、「2型糖尿病」と呼ばれるタイプが多いことが知られています。2型糖尿病は運動不足、飲酒・過食といった生活習慣などが原因で発症することが多く、臨床の現場では、糖尿病の患者の中でも、特に血糖のコントロールが不良な人ほど認知機能が低下しやすいことが、広く知られています。
認知機能の低下は薬の飲み忘れを起こしやすくし、それでさらに糖尿病のコントロールが難しくなるという、負のスパイラルが生じることも問題になっています。
糖尿病に伴う高血糖が、脳の慢性神経炎症を起こすという関係性が見えてきたわけですが、そのメカニズムは単純ではありません。







