バイデン米政権は、アフガニスタン中央銀行が米国に持つ在外資産約70億ドル(約9330億円)の凍結解除を見送ることを決めた。また、アフガンの首都カブールで国際テロ組織アルカイダの最高指導者を殺害して以降、これら資産に関するタリバン政権との交渉も中断している。複数の米政府当局者が明らかにした。米国とタリバンの交渉には進展の兆しが見られていたものの、この決定を受けて交渉は振り出しに戻る。タリバン支配下で年間数百万人が飢餓に直面する中、アフガン経済回復への期待をくじく結果ともなった。米国は7月末、アルカイダの最高指導者アイマン・ザワヒリ容疑者をドローンによる攻撃で殺害。その後、アルカイダ内で深い亀裂が生じていることが明らかになり、アフガンを拠点に国際的なテロ活動が再び活発化するのではないかとの懸念が欧米諸国で高まった。