「株式投資に興味があるけど、何から始めればいいの?」ーー。そんな株式投資ビギナーにおすすめしたいのが『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(馬渕磨理子著、ダイヤモンド社)です。全国各地のセミナーで5年間にわたって個人投資家の方々にお伝えしてきた、的中率70%超の堅実な投資法を紹介。「黒字転換2倍株投資術」とは、四半期決算データで営業利益・経常利益が「赤字」から「黒字」に転換するタイミングの銘柄をいち早く見つけて買い、2倍になったら売るというシンプルな方法。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の人にも始めやすいマイルドな投資法です。今回から特別編として書下ろしの記事をお届けします。これから株式市場はどうなっていくのか? どんな有望銘柄があるのか? 最新の黒字転換2倍株候補銘柄をご紹介。
世界的に株価が反転しつつあるが…
前回の連載で「日経平均は“くすぶっている”」と言及しましたが、その後、日経平均は3万円に迫る勢い。NYダウが3万4000ドルを回復した流れもあり、世界的に株価が反転しつつあります。ある意味、値動きの激しい株式市場に「投資疲れ」の声も聞こえてきています。
最近では、「いったん保有株を売却して全部を現金で持っておく」「株価が上昇する兆しが見えるまで、とにかくじっと耐える」など、どういうスタンス、心づもりで投資に向き合えばいいのでしょうか? という質問を良く受けます。
そこで、今回は、視点を広げるためにも、世界の「富裕層」のポートフォリオがどうなっているのかを解説します。
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。
引き続き、黒字転換株には注目
これまで、「黒字転換株」には注目だとお伝えしてきましたが、人工知覚技術の研究開発を行うKudan(4425)が8月17日に一時ストップ高と急伸。理由は「黒字転換」です。23年3月期第1四半期純損益が黒字転換したことを材料視した値動きとなっています。
「黒字転換」は値動きが出やすい投資手法です。しかし、私の初の著書『黒字転換2倍株で勝つ投資術』でも言及していますが「黒字転換2倍株」で全て投資することを勧めているわけではありません。むしろ、「黒字転換2倍株」は1つの投資手法であり、全体のポートフォリオの一部に、この投資手法を取り入れてみてはいかがでしょうか? といったスタンスです。
やはり、「ポートフォリオ」が肝になります。値動きが大きな相場が続きますので株価が下がれば「全て現金、キャッシュにした方がいいですか?」というご質問や、株価が上昇すれば「資金を株に振った方がいいですか」とのご質問をいただきますが、答えはどちらも間違いです。
常にポートフォリオがあった上で、その割合を少しだけ変更するといったスタンスです。世界の富裕層のポートフォリオが「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」で公開されましたので、参考にして欲しいです。
「富裕層の人口」で、日本は世界2位
仏コンサルティング会社キャップジェミニが2022年6月14日に発行した「THE WORLD WEALTH REPORT 2022」によれば、2021年の世界のHNWI(いわゆる富裕層)人口は7.8%増え、その資産は株式市場を背景とする景気回復により8%増加しています。
HNWI(High Net Worth Individual)とは「1百万米ドル(約1億円)以上の投資資産を保有」する人たちのことです。そして、一番意外な事実は、日本の富裕層人口はアメリカ(746万人)に次いで、世界2位の365万人となっていることです。
日本と言えば、平均年収が400万円台前半で推移しており、韓国にも抜かれ、アメリカの半分と「安い日本」がフォーカスされているだけに驚きを感じる人も多いでしょう。日本人の中でも資産を増やしている人は投資をしているのです。
では、世界の富裕層はどのような資産をもっているのでしょうか?
同調査によれば、株式:29%、現金:24%、不動産(住居を除く):15%、債券:18%、オルタナティブ投資(代替投資:ヘッジファンド、コモディティ、デリバティブ等):14%のポートフォリオです。値上がりなどを期待できる株式は約3割で、現金は2割強です。
不透明感の続く相場だからこそ、ポートフォリオの重要性が増すでしょう。
株式投資の一部に「黒字転換2倍株」の投資手法を取り入れていただきながら、全体としては、分散投資であり、今回公開された「富裕層のポートフォリオ」が参考になるかと思います。