「株式投資に興味があるけど、何から始めればいいの?」ーー。そんな株式投資ビギナーにおすすめしたいのが『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(馬渕磨理子著、ダイヤモンド社)です。全国各地のセミナーで5年間にわたって個人投資家の方々にお伝えしてきた、的中率70%超の堅実な投資法を紹介。「黒字転換2倍株投資術」とは、四半期決算データで営業利益・経常利益が「赤字」から「黒字」に転換するタイミングの銘柄をいち早く見つけて買い、2倍になったら売るというシンプルな方法。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の人にも始めやすいマイルドな投資法です。今回から特別編として書下ろしの記事をお届けします。これから株式市場はどうなっていくのか? どんな有望銘柄があるのか? 最新の黒字転換2倍株候補銘柄をご紹介。

日経平均がくすぶっているが、今は株式投資をする時期なのか?<br />―黒字転換2倍株は、市況が悪い中でも破壊力アリ!Photo: Adobe Stock

この先、世界的に株価がどうなるのかよくわからない…
どういう心づもりで、投資に向き合えばいいのか?

 今、世界的に株価が低調で米国株も一時の勢いがない。上半期で、S&P500種株価指数は約2割下落、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は3割、日経平均株価は1割弱の下落となっています。

 そのため、「この先、世界的に株価がどうなるのかよくわからない。このような状況下で、どういうスタンス、心づもりで投資に向き合えばいいのでしょうか?」という質問を良く受けます。

 今回は、この先の株式市場の見通しについて解説します。

日経平均がくすぶっているが、今は株式投資をする時期なのか?<br />―黒字転換2倍株は、市況が悪い中でも破壊力アリ!馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。

 米国では金融政策を担うFRB(連邦制度準備理事会)が急ピッチで利上げを行っており、景気後退懸念から相場の下落につながっています。

 米国のCPI(消費者物価指数)は前年比で9%超という高水準の物価上昇が続いていて、このままでは景気が大幅に悪化しかねません。物価上昇を押さえ込むために金利を引き上げていますが、金利の引き上げスピードを見誤れば景気後退を招きかねないという「諸刃の剣」の状態です。

 7月28日の発表された米GDPの成長率は2四半期連続マイナスと、景気後退のサインを示す結果となっています。

 しかし、過去を振り返ってみると、金融緩和である「利下げ」から金融引き締め「利上げ」に転換し、株価が調整局面に突入したとしても、2年以内に相場が反発に転じるケースのほうが多いです。

 CPIが落ち着くまでは、株式市場も厳しい状況が続く可能性はありますが、利上げのスピードの見通しが立ち、CPIの落ち着きが確認できれば、やがて反発に転じるのではないかと見ています。

日本株をどう見極めたらいいか?

 特に、急速に進んだ円安水準の割に、日経平均は“くすぶっている”と言えます。

 足元では、139円台から130円まで約10円の円高に進む局面がありましたが、日米の金利差拡大に変化はなく、円安基調は継続だと考えられます。その観点から、いまは日本株の買い時と言えるかもしれません

 特に、企業ごとに「いいところはいい、悪いところは悪い」という流れが鮮明になる可能性が高いため、投資する銘柄には十分注意を払うべきです。売り上げだけ伸びていて利益がなかなか追いついてこない“増収減益”企業には、要注意です。

 グロース株全体が変われる流れのなかでは、売上高の伸びが注目されて人気化する銘柄が続出しましたが、しばらくは利益が伸びていない企業は、買われづらい傾向が続くと思います。

 最近の動きとしては、食品株などで「値上げ」が株式市場で評価される動きが出てきています。これは、失われた30年間の日本の中では、見られなかったことです。

 そのほか、参議院選挙の自民党勝利によって政府肝いりのDX(デジタルトランスフォーメーション)、脱炭素などのGX(グリーントランスフォーメーション)子育て防衛経済再開関連などで再浮上する銘柄が出てくる可能性はあります。

黒字浮上企業は、不透明感の続く相場でも注目!

 特に、経済再開関連の銘柄はこれから盛り上げることが予想されます

 そこでおススメしたいのが「黒字転換2倍株」、略して「クロテン2倍株」に投資する手法です。これは、「これまで業績は低迷(赤字)が続いていたけれど、“四半期ベース”で黒字に転換した企業をいち早く見つけて買い、株価が2倍になったら売る」というものです。

 赤字が続いている企業は、業績だけでなく株価も低迷している場合が多いのですが、その会社が浮上するタイミングで買うことによって、大きな値幅が狙えます。

 この手法が優れているのは「再現性が高い」点です。要は、誰でも自分でマネできる手法です。

 投資家のみなさんも経験があると思うのですが、株式投資の勉強を始めると、実にたくさんの投資手法があって、さらに選びきれないくらいの個別銘柄があることに気付きます。

「クロテン2倍株」では、まず四半期ベースで赤字から黒字に浮上した銘柄を抽出します。もちろん、景気や相場の状態によって変わってきますが、その時点で4000超の上場銘柄を100~200程度にまで絞り込むことができると思います。

 波乱相場が続く中でも、黒字転換株の破壊力は大きく、貸会議室の「ティーケーピー(3479)」やリチウムイオンの部材を手掛ける「ダブル・スコープ(6619)」などは、まさに黒字転換後、株価の値幅が大きく出ています。まさに、黒字転換後、2倍以上の株価になっています。

 この手法ではそれまで業績が低迷していた銘柄を狙うわけなので、株価が十分下がっているケースが少なくありません。リスクも比較的押さえた投資手法となります。

 難しい相場が続きますがぜひ、「黒字転換」に注目して企業を選定してみてください。