【売れるアイデア発想法（2）】できる事をずらしてみる

小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか？『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法　「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』（ダイヤモンド社刊）では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を公開。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評だ。本連載では、同書より一部抜粋、加筆して特別に公開します。

「できる事」をずらして成功した観光ホテルの例

　コンサルティングの相談で多いのが、

「売れるアイデアがなかなか思いつかないのですが、どうしたらいいでしょうか？」

　というもの。

　そんな方に、おススメしているのが「ずらす」という方法。なぜなら様々なアイデア発想法の中では「ずらす」というやり方が一番シンプルだからです。

　では、「ずらす」とはどういうことでしょうか？

　それは、今ある商品・サービスの用途や対象などを、他のものにもずらせないか（転用や応用）と考える事です。

　世の中の売れている商品やサービスは、誰もが全く予想しなかったものよりも、既にあるものを転用や応用したもの方が圧倒的に多いのです。

　そこで今回は「できる事をずらす」の例をご紹介しましょう。静岡にある「星ホテル」という観光ホテルの話です。

　オーナーの石原さんは、7年ほど前から保護猫の里親さんを探す活動をしていました。

　ある時、里親さんになってくれた方から、

「猫を連れて里帰りしたいけど、犬と泊まれる宿はあっても猫と一緒に泊まれるところがなくて困っている」

　という相談を受けました。

　犬と泊まれる宿があるなら猫と泊まれる宿があってもいいかもと考え、猫と泊まれる部屋を1部屋作ることにしました。

　猫がひっかいても良いように畳を傷つきにくい畳に変え、猫が遊びまわれる遊具を取り付けました。

　その結果、どうなったか？

「犬と泊まれる」を「猫と泊まれる」にずらしてみたら…

　猫と一緒に泊まれるプランは通常のプランよりも高いにもかかわらず、大人気に。猫を連れて毎週末に里帰りする里親さんや、家では猫が飼えない方が猫と泊まれるからと泊まりに来て、週末は1室では足りずに3部屋を用意しなければならないほどの人気プランになりました。

　これは「犬と泊まれる」から「猫と泊まれる」とできる事をずらしたという事です。

　犬と泊まれる宿が流行っているからといって、同じように犬と泊まれる部屋を作れば、後発の方が認知度や対応力で不利なので価格を下げざるをえないでしょう。

　しかし、できることをずらすことで、価格を下げなくても集客できるようになります。

　このように、売れるアイデアが出てこない方は、イチから考えるのではなく、できることをずらせられないかと考えてみてください。

　そちらの方が売れるアイデアが出やすいと思います。

アイデア発想に役立つ「マンダラ広告作成法」シート

　もし、ずらすアイデアが出てこなければ「マンダラ広告作成法」シートを参考にしてみてください。

「マンダラ広告作成法」シートには、様々な参考キーワードが書かれているので、それらを見ていればずらすアイデアが色々出てくるでしょう。

　※今回は、実際にあったケースから内容の一部を分かりやすく簡略しています。