ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ブルンジってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ブルンジってどんな国?

 ブルンジは、ルワンダ、タンザニア、コンゴ民主共和国に囲まれた面積の小さな内陸国です。

 国の西南部は、タンガニーカ湖に面しています。アフリカ大地溝帯に位置する湖としては珍しく淡水湖で、固有種の多い湖として知られています。

 タンガニーカ湖の漁業は重要な産業になっています。この湖は南部アフリカ諸国との交流でも大きな役割を果たしています。

民族対立が続く世界最貧国

 北に隣接するルワンダとは、言語・社会構造・民族構成・自然環境がほぼ共通で、独立前は、ベルギーの統治のもとで単一の植民地を形成していた兄弟国です。

 しかし、大虐殺を経て、政治が安定したルワンダと異なり、いまだにツチ人とフツ人の対立が解消せず政治は不安定で、世界の最貧国になっています。(関連記事:「ルワンダってどんな国?」2分で学ぶ国際社会

 低緯度にありながら高原地帯に位置しており、気候環境はおだやかです。土壌も肥沃なため、古くから人口密度の高い国でした。近年の統計では1㎢当たり400人を超えています。

 紛争で国土が荒廃したため農業生産は伸び悩み、食料も援助に頼るようになっています。

 それでも、国連等の支援の下で社会の立て直しが進められており、隣国に逃れた難民の帰還も行われています。

ブルンジ共和国

面積:2.8万㎢ 首都:ブジュンブラ
人口:1224.1万 通貨:ブルンジ・フラン
言語:ルンディ語(公用語)、フランス語(公用語)、スワヒリ語
宗教:カトリック58.6%、プロテスタント35.3%
隣接:ルワンダ、タンザニア、コンゴ民主共和国

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)