ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ルワンダってどんな国?
ルワンダは東アフリカに位置し、ウガンダ、タンザニア、ブルンジ、コンゴ民主共和国と国境を接する内陸国です。
21世紀に入ってからルワンダの経済成長は著しく、アフリカの奇跡ともいわれています。
一方、2004年に制作された映画「ホテル・ルワンダ」は1994年に勃発した「ルワンダ大虐殺」を描いた映画です。ルワンダ大虐殺とは、当時のルワンダ政府軍とフツ人の過激派が、ツチ人とフツ人穏健派100万人以上を虐殺したといわれる事件です。
このような混乱からわずか四半世紀、ルワンダは見事な立ち直りを見せました。
この事件ののちに政権を担ったのが、ポール・カガメ大統領です。彼は、民族の融和を図るため、出身部族を示す身分証明書の廃止や汚職撲滅、女性の地位向上などの政策を行いました。
2008年の選挙では、世界で初めて女性が国会の過半数の議席を占めるようになりました。
観光・高付加価値農業・ICTが、経済を牽引
経済では、観光と高付加価値農業、そしてICTがこの国を牽引しています。
観光では、野生のゴリラを身近に見ることができるマウンテンゴリラ観察ツアーが人気です。
農業では、高品質のコーヒーとマカデミアナッツそして花卉が主要産品です。この国の気候にマッチしており今後も発展が期待できます。
ICTは後発国であることを逆手に取り、先進国では制度面から実用化するのが難しいビジネスにも実用化するチャンスが開かれています。
ルワンダ共和国
面積:2.6万㎢ 首都:キガリ
人口:1294.3万 通貨:ルワンダ・フラン
言語:キンヤルワンダ語(公用語)、フランス語(公用語)、英語(公用語)など
宗教:プロテスタント57.7%、カトリック38.2%
隣接:ウガンダ、タンザニア、ブルンジ、コンゴ民主共和国
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)