ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ナミビアってどんな国?
ナミビアはアフリカ南部に位置する国で、アンゴラ、ザンビア、ボツワナ、南アフリカと国境を接します。西側は大西洋に面し、海岸にそって南北に1300kmも続くナミブ砂漠が広がっています。
河川が運んだ砂が寒流のベンゲラ海流に運ばれ、西からの風によって陸地にもどされてつくられています。
世界最古の砂漠といわれ、世界遺産になっています。海岸の低地の東には急な崖をともなう山地があり、その東にはカラハリ砂漠が広がっています。
国土の大半は「何もない土地」
ナミビアとは現地のことばで「何もない土地」という意味です(国名の由来には諸説あります)。人口密度はわずか3人/㎢で、アフリカで最低です。
乾燥していて、光が少ないので、星空が美しく、「星空保護区」に指定されているところがあります。
南アフリカの支配下で続いたアパルトヘイト政策
ナミビアの北東部には、東に細長く突き出た領土が見られます。カプリヴィ回廊と呼ばれ、距離は450kmほどあります。ドイツの植民地時代に、ドイツがザンベジ川へのアクセスを確保するために獲得しました。
第二次世界大戦後、ナミビアは南アフリカに併合されました。
国際社会はそれを認めませんでしたが、南アフリカは支配を続け、1966年にはアパルトヘイト政策を始めました。それに対して独立運動が起こり、ようやく1990年に独立を果たしました。
ナミビア共和国
面積:82.4万㎢ 首都:ウィントフック
人口:267.8万 通貨:ナミビア・ドル
言語:英語(公用語)、アフリカーンス語、ドイツ語など
宗教:キリスト教97.5%
隣接:アンゴラ、ザンビア、ボツワナ、南アフリカ
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)