ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
マダガスカルってどんな国?
マダガスカルは、アフリカ大陸の東部の沖合に位置し、世界で4番目に大きな島マダガスカル島と周囲の島から成る島国です。
ゴンドワナ大陸の分裂によってアフリカから分かれ、8800万年前インド亜大陸と分かれて形成されました。
独自の生物進化を遂げた島
孤立した状態が長く続いたので独自の進化を遂げた動植物の宝庫です。
植物ではバオバブの木が有名ですし、歌で有名なアイアイや尻尾が特徴的なワオキツネザル、横飛びするベローシファカなどが生息しています。
ただし、これらの自然も人間の活動により危機に瀕しているといわれています。
マダガスカルの先住民は東南アジアからわたってきたと考えられており、米食文化が根づいていることも特徴です。一人当たりの米の消費量は日本の2倍にもなります。
この国の主要産業は農業です。米やトウモロコシなどの自給用の食料生産のほか、コーヒーやバニラビーンズ、クローブなどが生産されています。とくにバニラビーンズは世界最大の生産国で、この国の重要な輸出品になっています。
豊富な地下資源も知られています。採掘から精錬まで一貫して行う、ニッケルとコバルトの生産事業は、日本企業が筆頭株主になっており、経済の牽引役として期待されています。
マダガスカル共和国
面積:58.7km2 首都:アンタナナリボ
人口:2753.4万 通貨:アリアリ
言語:マダガスカル語(公用語)、フランス語(公用語)
宗教:伝統信仰、キリスト教、イスラーム
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)