あと1週間もすれば、チリで新憲法案が国民投票にかけられる。同国は、世界がクリーンエネルギーに移行するために不可欠とされるリチウムの主要生産国だ。新憲法が制定されれば、チリの人々はリチウム採掘のロードマップを自ら描き直すことができる。たとえそうならなかったとしても、ニッケル、コバルト、リチウムなどの金属に対する世界的な需要は、台頭する資源ナショナリズムと環境保護活動というグローバルな波に直面している。これは鉱山業者にとってコスト上昇を意味し、前回の「コモディティー・スーパーサイクル」で享受したような大きな利益を再現するのは難しいかもしれない。高インフレに加え、世界各国が中国と繰り広げる資源獲得競争は、金属資源の豊富な低所得国にとってさらなる追い風となるとみられる。
電池用金属、高まる資源ナショナリズムに直面
インフレや資源獲得競争、チリなど金属資源豊かな低所得国に追い風
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