ロシアによるウクライナ侵攻は北朝鮮に好機をもたらした。北朝鮮はロシアとの絆を一段と深め、同国への支持を積極的に表明する数少ない国の一つとなっている。北朝鮮はウクライナ東部のロシア支配地域――ドネツク州とルガンスク州――に労働者を派遣し、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の体制にどうしても必要な外貨を獲得したい考えだ。また北朝鮮が極超音速ミサイルなどの新型兵器を追い求める一方で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は同盟国に高度な武器や軍装備品を提供すると約束している。さらにロシアは食糧の国境を越える取引や支援を増やせるうえ、国連安全保障理事会の常任理事国という立場を生かし、北朝鮮への制裁強化を阻止できる。