26日の米株式相場が急落したことで、2カ月に及ぶ夏の上昇時に投資家がほぼ棚上げにしていた問題が改めて浮上した。それは、市場がまた打撃を受けそうな時期にその痛みをいかに最小限に抑えるかだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長による26日の講演は、FRBの方向転換に期待する声に終止符を打った。強気の投資家はFRBがインフレ鈍化や景気低迷を受けて来年に利下げに転じると予想していた。代わりに方向転換したのは株式市場だった。S&P500種指数は過去2週間の下落率が5.2%と、6月半ば以降で最大の落ち込みとなっている。26日は債券と暗号資産(仮想通貨)が値下がりし、株式に至ってはS&P500種指数の全11業種が下落した。