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高市政権が設置する国民会議で消費税減税が議論される中、あらためて問われるのが、消費税とはどのような税なのかという基本です。連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは「消費税」。仕入税額控除によって税が累積しない仕組み、1989年の導入までの紆余曲折、その後の税率引き上げの経緯、そして社会保障財源としての位置付けまで、制度の全体像を整理します。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
消費税は「預かった税額」から
「支払った税額」を引いて納める
今回のキーワードは「消費税」です。
2月26日、消費税減税などを議論する国民会議が高市政権によって召集され、初会合が開かれました。日本では「消費税」と呼ばれますが、欧州諸国では同様の仕組みの税を「付加価値税」と呼びます。そもそも、消費税はどういう仕組みの税なのでしょうか。
消費税以外で、よく耳にする税といえば、所得税と法人税があります。所得税は個人の所得に課され、法人税は原則として企業の利益に課されます。所得税は所得が増えるほど税率も上がる累進課税です。これらは、個人や企業が所得や利益に対して直接納めるため、「直接税」と呼ばれます。
もちろん、会社勤めをしている方は、所得税などの税金を直接税務署に支払うわけではありませんが、給与明細を見れば分かるように、会社が源泉徴収をした後の手取り額が給与として支払われます。
これに対して、消費税は「間接税」と呼ばれます。納税義務を負うのは事業者ですが、商品やサービスの価格に税額相当分が上乗せされることで、最終的には消費者に負担が及ぶ仕組みです。
例えば卸売りの会社が商品をスーパーに売り、消費者がスーパーでその商品を税込み価格1100円で購入する流れで説明してみましょう。
あるスーパーが税抜き価格900円の商品を卸売りの会社から仕入れるとします。このとき、消費税90円(900円×10%)がかかるため、支払額は990円になります。
その商品に100円の利益を乗せ、税抜き価格1000円で消費者に売るとします。この場合、消費税100円(1000円×10%)がかかるため、店頭での販売価格は1100円です。
ここまでの流れで、スーパーが納める消費税は幾らでしょうか。
答えは10円です。消費者から受け取った消費税は100円ですが、仕入れ時にすでに90円の消費税を支払っています。従って、スーパーは受け取った100円から支払った90円を差し引いた10円を納めることになります。これが、いわゆる「仕入税額控除」の仕組みです。
同様に、卸売りの会社もメーカーから商品を仕入れ、それをスーパーに売るわけです。ですから、こちらも、「仕入税額控除」の仕組みとなり、スーパーに売るときに受け取った消費税分からメーカーから仕入れるときに支払った消費税分を引いた額を税として卸売りの会社は納めることになります。
唯一、消費者だけがスーパーから商品を購入した後、それを自ら消費します。他に売るわけではありません。100円の消費税相当額を最終的に負担するのは消費者なのです。こうして、税負担は最終消費者まで行き着くことになります。
この仕組みが消費税が間接税と呼ばれるゆえんですが、重要なのは消費税が商品やサービスを購入する幅広い人が負担する税だということです。これに対し、所得税は主として所得のある人が負担し、法人税は原則利益を上げた企業が負担します。
そのため、一定の税収を確保する上で、所得税や法人税だけに依存すると、働く世代や企業への負担が重くなりやすいという見方があります。そうした観点から、消費税には税負担を幅広く分かち合う役割があると考えられてきました。
消費税が導入されたのは1989年4月で、税率は3%でした。そこから現在まで、消費税を巡っては、時の政権が吹っ飛びそうな程の紆余曲折がありました。次ページでは、導入までの経緯と現在までの変遷、さらに消費税の持つ性質について見ていきます。







