ペンシルべニア大学ウォートンスクールが行った新たな調査研究によると、米フォーチュン誌が選ぶ米国の上位100社の中で重役職に就いた女性は、昇進スピードが男性よりも速い傾向にあった。
この調査ではフォーチュン100企業の各企業について、経営幹部上位10職位に関する40年分のデータを調査し、人口統計学的属性や重役になるまでの経歴について詳しく調べた。MITスローンマネジメントレビュー誌に掲載されたこの研究によれば、女性が米国最大手級の企業で男性の同僚よりも速く経営幹部職に就くようになったのは2001年からであり、この傾向は2021年になっても続いている。
だが、幹部職の約4分の1を占めている女性の中で、最高経営責任者(CEO)や社長、最高執行責任者(COO)といった肩書きの経営陣の最高職位まで登りつめたケースはあまりない。研究者によれば、企業は内部あるいは外部からの圧力によって、上級職に女性を加えることに差し迫った必要性を感じている。
この報告書によると、企業の上位10職位に昇進した女性は、キャリア年数で見ると男性よりも2~4年速く昇進する傾向があった。また、こうした女性たちは社内の生え抜きではなく、社外から幹部職として採用されている傾向が大きかった。
フォーチュン100企業では、1980年時点で女性のCEO、人事責任者、ゼネラルマネジャーはまったくいなかったが、2021年にはこの役職での女性率は約27%となった。2001年には、男女の昇進スピードに差が生じ、女性の方が上位10職位に就くまでにかかった年数で平均約3.6年短かった。この差は2011年には2.9年、昨年は約1.5年に縮まっている。