オフィス出社は週2が理想的?ハイブリッド勤務Photo:San Francisco Chronicle/Hearst Newspapers via Getty Images

 企業幹部の間ではこれまで、週3日のオフィス出勤と週2日の在宅勤務がハイブリッド型の勤務形態で最も理想的な組み合わせとの認識があった。従業員に柔軟性を提供する一方で、企業文化を醸成するのに十分な対面でのやりとりを確保できると思われていた。

 その週3日の出勤計画が週2日に落ち着きつつある会社も出てきている。

 遠隔勤務について研究するスタンフォード大学のエコノミスト、ニコラス・ブルーム氏は、10社以上が週3日から2日のオフィス勤務に計画を変更していると話す。全面的なオフィス勤務再開を断念した企業もあるという。

 ブルーム氏はこう話す。「ほぼ2年にわたる在宅勤務と労働市場の引き締まりにより、週3と週2の組み合わせは寛容かつ魅力的ではなく、せいぜい平均としか見られていないことに企業は気付き始めた」

 ブルーム氏は一部企業にコンサルタントとして雇われているが、在宅勤務を増やす方向で軌道修正している企業については明らかにすることを控えた。

 ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)がまとめた新たな調査結果報告書によると、週1~2日オフィス勤務の従業員は生産性がより高く、同僚からの疎外感を抱くことなく柔軟な働き方を確保できたことが分かった。この報告書は、2020年夏にある組織で行われた研究を基にしている。

 金融大手JPモルガン・チェースやネット小売り大手アマゾン・ドット・コムといった多くの企業は、1年前はオフィス勤務再開について野心的な計画を持っていたが、見直さざるを得なくなった。新型コロナウイルス禍の長期化や労働市場が過熱気味であることに加え、従業員が勤務形態や勤務地について柔軟性を求めているためだ。