国際連合は、独裁者にとって保護領になることがあまりにも多い。国連がロシアのウクライナ侵攻に対して何ら効果的な対応を取れなかったことを思い起こしてほしい。しかし時には、国連の一部が、勇気を奮い起こして不快な真実を語り、何か良いことを行うこともあるかもしれない。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が今週、中国西部の新疆ウイグル自治区におけるイスラム教の少数民族ウイグル族の弾圧に関する報告書を発表したのはその一例だ。報告書は「深刻な人権侵害」を時系列で記録しており、「それらは国際犯罪、特に人道に対する罪、に当たる可能性がある」と指摘した。この報告書の公開は、中国が激怒してそれを中止させようとしていたことを考えると、小さな奇跡だ。中国は国連での影響力を用いて、人権から新型コロナウイルスに至るまでのあらゆることに関する批判を抑止している。チリで大統領を務めた女性で、左派のミチェル・バチェレ人権高等弁務官は8月31日、長く遅れていた報告書を公開した。それは文字通りバチェレ氏の任期が終わる直前だった。同氏に賛辞を送りたい。