中国経済がここ1年に急減速したことで、同国がいつ米国を抜いて世界最大の経済国になるのかを巡り、専門家の間で予想を見直す動きが広がっている。そもそも「米国超え」はあり得るのかといった懐疑的な見方も浮上してきた。ドル建ての国内総生産(GDP)換算で、中国は2020年代末までに米国を追い抜くとの見立てが、最近までエコノミストの間では支配的だった。ところが、中国当局による徹底した「ゼロコロナ」感染対策や不動産市場の投機抑制といった政策により、経済成長に急ブレーキがかかっており、今年に入って景気見通しが急激に悪化している。22年の成長予想で下方修正が相次ぐ中、高齢化など人口動態の問題や高水準の債務が足かせになりかねないとして、長期的な成長見通しに対しても懸念が高まっている。