コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、大和ハウス工業や積水ハウスなど「住宅メーカー」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
住宅メーカー3社は「5四半期連続増収」
コロナ禍でも勢い止まらず
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は2022年2月~6月の直近四半期(積水ハウスは22年2~4月期、大和ハウス工業、積水化学工業は22年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大和ハウス工業
増収率:9.5%(四半期の売上高1兆78億円)
・積水ハウス
増収率:22.2%(四半期の売上高7437億円)
・積水化学工業
増収率:13.5%(四半期の売上高2823億円)
前年同期比で増収となった住宅メーカー3社。いずれも新型コロナウイルス感染拡大前と同等か、それ以上の水準まで復活を果たした。中でも、積水ハウスと積水化学工業は2桁増収と絶好調だ。
詳しくは後述するが、この3社はともに「5四半期連続」で増収が続いている。前四半期の記事で紹介した通り、21年度の通期決算で売上高の「過去最高ラッシュ」が相次いだのも記憶に新しい。
各社の好調の要因は何なのか。次ページでデータを交えて解説する。