住宅Photo:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の住宅メーカー編だ。

大和ハウス、なぜ「勝ち組」?
消費者にとって不都合な「ある傾向」とは

住宅メーカーの主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯大和ハウス(大和ハウス工業)の受注金額(合計)
 4月度:前年同月比102%(2%増)
 5月度:同146%(46%増)
 6月度:同161%(61%増)

◯住友林業の受注金額(合計)
 4月度:前年同月比99%(1%減)
 5月度:同105%(5%増)
 6月度:同115%(15%増)

◯セキスイハイム(積水化学工業)の住宅受注(棟数ベース)
 4月度:前年同月比101%(1%増)
 5月度:同107%(7%増)
 6月度:同91%(9%減)

◯ミサワホームの受注金額(合計)
 4月度:前年同月比100%(増減なし)
 5月度:同128%(28%増)
 6月度:同89%(11%減)

 6月度の実績を見ると、大和ハウスと住友林業の受注金額が前年度の実績を超えた。中でも大和ハウスは前年同月比161%(61%)と大幅な増収を記録している。

 その一方で、セキスイハイムの住宅受注(棟数ベース)は同91%(9%減)、ミサワホームの受注金額も同89%(11%減)と前年実績に届かず苦戦している。同じ住宅メーカーでも差が出る結果となった(セキスイハイムのみ開示が「棟数ベース」)。

 実は、この月次実績の裏にはもっと深刻な「業績格差」が隠れている。さらに、各社の実績を時系列で分析すると、消費者にとっても不都合な「ある傾向」が見えてくる。