投資家にとってインフレは最大の脅威だろうか。恐らくそうではない。過去2回の株価暴落をうまく乗り越えたある資産運用会社は、年末に過酷な状況に陥る事態に備えている。米連邦準備制度理事会(FRB)が債券市場からひっそりと退場することを恐れているためだ。ロンドンに拠点を置く資産運用会社ラッファーは、FRBが保有する米国債のランオフ(自然減)の加速により、市場から流動性が吸収されることを懸念している。しかも今は、金利の上昇や株安・債券安を受けて、そうした値下がりを和らげる現金の必要性が高まっている時期だ。ラッファーの投資ディレクター、アレックス・レナード氏は「株式と債券がダブルパンチに見舞われている」とし、「孫に語り継ぐような出来事」になるかもしれないと述べた。