高齢者専門の精神科医として、30年以上高齢者医療の現場に携わってきた和田秀樹氏が、新著『70代からの元気力』を発売。同書からの一部抜粋で、70代からの人生を充実させるためのヒントをお教えする。今回のテーマは、前回に引き続き、年を取ってもぜひ続けたい「肉食のすすめ」について。
会社員の「食のバランス」が
意外にいい理由
男性は60代半ばを過ぎると、「肉を食べる機会」が一気に減ります。
日本がもともと肉食文化の国ではないのが、その原因です。
つまり、意識して「肉を食べよう」と思っていないと、この国では、いつの間にか、まったく「肉を食べない」食生活になってしまうのです。
ただ、ほとんどの男性は、若い頃、現役時代は肉が好きだったはずです。それがなぜ、60代半ばになると変わるのか、簡単に説明しましょう。
70代になっても、男性は基本的に肉が好きなことに変わりはありません。ただ、60代半ば以降、「肉を食べない」食生活に慣れてしまっているので、本人がそれと気づいていないだけなのです。
会社員だった頃は、それこそ毎日のように肉を食べていた人もいたはずです。