ロシア軍空挺(くうてい)部隊の元兵士、パベル・フィラティエフ氏(34)によると、3月初めにウクライナの都市ミコライウ周辺で行われた戦闘で、周囲に砲弾がさく裂した際、同氏は所属する小隊の他の兵士とともに森の中に逃げ込んだ。部隊長は死亡した。ある兵士は叫び声を上げ、必死になって別の将校に指示を仰いだ。「一体誰が知るか」という答えが返ってきた、と元下級軍曹のフィラティエフ氏は語った。暗闇に包まれると、3人目の将校が新たな進撃を命じたという。疲れ果て、空腹で弾薬や医薬品が不足していた兵士たちは動くことを拒否した。1人の兵士が将校のあごを殴った。フィラティエフ氏はその後、陸軍とロシアを去った。フランスに政治亡命を求める意向だという。同氏は、この戦争について最も率直に話す退役軍人の1人だ。インタビューやオンラインで公開された141ページの文書で、同氏がウクライナにおけるロシア軍の失敗と呼ぶものについて詳述した。