米アーカンソー州で引退生活を送るドラ・ジェーン・フレッシャーさん(65)は新型コロナウイルス禍後に、通常あまり行かない場所を旅したいと考え、サウジアラビアを訪れた。北西部の都市ウラーでは、砂岩の露頭に刻まれた古代の墓に魅了された。しかし、古いテレビや押しボタン式電話機などに加え、米国各州の石を集めた博物館にはあまり感銘を受けなかった。「開放し始めたばかりのサウジを見ることができた」とフレッシャーさんは話す。「でも、人気の観光地になりそうにない場所も無作為にたくさん見ることになった」これが世界で最も新しい観光開拓地の一つ、サウジの現状だ。イスラム教の聖地メッカがある同国は、何世紀にもわたってイスラム教の巡礼者を歓迎してきた。しかし、保守的な慣習や部外者に対する警戒心が長年、伝統的な観光産業の成長を妨げ、観光客を遠ざけてきた。
サウジ、観光立国目指し140兆円投資 産業創出へ
先陣を切った旅行者はインフラの不備に直面
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