米半導体の国内生産強化に向けた520億ドル(約7兆4200億円)規模の法案が重大な局面を迎えていた頃、ジーナ・レモンド商務長官は議会での支持を広げるため、トランプ政権の元安全保障担当者に接触するという、異例の手段に打って出た。レモンド氏は、ドナルド・トランプ前大統領の国家安全保障担当補佐官であるH・R・マクマスター氏ほか3人のトランプ元政府高官を民主党や共和党の議員と共に招き、国防における半導体の重要性を説いた。レモンド氏の警備担当者の1人から、米国で最も人気のポッドキャスター、ジョー・ローガン氏の番組で、マクマスター氏がレモンド氏を称賛していたと聞いたのがきっかけだ。このイベントは「中国との競争を超党派の問題として定義した」と、マクマスター氏は振り返る。同法案はその4カ月後、共和党議員17人の賛成を得て上院を通過した。
米商務長官、産業政策の強化主導 中ロへの対抗鮮明
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