ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェ(ポルシェAG)の新規株式公開(IPO)計画は、株式相場がよほど下げない限り脱線しないだろう。欧州経済についての暗い見通しや株安にもかかわらず、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は5日、ポルシェのIPO実施を決定したことを明らかにした。これは見かけほど奇妙なことではない。VWには、同社の最も価値あるブランドかもしれないポルシェの少数株式をできる限り高値で売却するという以外にも、放出する理由がある。このIPO案件の管理者には利益相反がある。VWの議決権株の半分超を所有する上場持ち株会社ポルシェSEの過半数をポルシェ家とピエヒ家が握っている。ポルシェSEは、ポルシェの株主総会での決定に否決権を行使できる少数議決権株をIPOで取得する予定だ。このIPO案件の売り手サイドを管理する企業が最大の買い手でもあるのだ。
ポルシェのIPO、利益相反で急発進も
親会社フォルクスワーゲンの支配株主がポルシェ株の最大の買い手になる
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