米国では高級車がかつてないほど売れている。背景には、新型コロナウイルス禍で貯蓄を積み上げた資金豊富な買い手が増えていることや、高所得層の富がさらに拡大していることがある。
BMW、メルセデス・ベンツ、テスラといった高級車ブランドは近年、米自動車市場で着実にシェアを伸ばしており、6月には過去最高となる17.3%に達した。調査会社JDパワーが分析した。2019年は14.1%で、数年前に始まった拡大傾向が続いている。
ランボルギーニ、ベントレー、フェラーリといった「超高級車」も、なお数は少ないものの、今年7月までの販売台数は6700台に達した。これは5年前の同期間と比べると35.6%の急増だ(JDパワー調べ)。
独フォルクス・ワーゲン(VW)傘下ベントレー・モーターズの販売・マーケティング担当役員アラン・ファベイ氏は「富の拡大に伴って、高級車市場も成長している」と話す。
過去数年間に富裕層の裾野が広がったことで、ベントレーのような高級車ブランドにとってターゲットとする顧客層も拡大しているという。また米国では、高級車の買い手はハイテクや娯楽業界で富を蓄えた若い層が中心だと同氏は話す。