――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ラリー・サマーズ元米財務長官をはじめとする著名なエコノミストらは、リセッション(景気後退)が近いと予想しており、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の調査によると、米国民の半数は既に景気後退入りしていると考えている。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、景気がインフレ鈍化をもたらす程度に減速するものの、失業率はそれほど上昇しない「ソフトランディング(軟着陸)」について言及するのをやめ、痛みを覚悟するよう警告し始めた。  こうした悲観的な見解は正当化されるように思えた。