急激な円安、日銀が静観できる理由Photo:YOSHIKAZU TSUNO/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 日本は常に例外的な国だった。世界的なインフレ高進への対応についても、その点は全く変わらない。

 西側諸国の中央銀行が金融政策の引き締めを急ぐ中で、日銀だけは異例の金融緩和を堅持する方針を強調し、独自路線を突き進んでいる。黒田東彦日銀総裁は6月、10年物日本国債利回りの上限を0.25%とする長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)政策を維持する考えを改めて強調した。