Mさんが前へ進むきっかけになったのは、家族や周囲の支えだった。

「私には将来、服屋さんで正社員として働けるようになりたいという目標がありました。ここで飛び出さなければ、何も前に進まない。そう思えたから、頑張って一歩前へ踏み出せたんだと思います」

 その後、自信のついたMさんは、衣料品店でアルバイトを7ヵ月間続けている。

 30歳代男性のAさんは、大学中退後、新聞配達をしていたものの、やがてアルバイトに行けなくなった。

 そのうち、職親体験制度があることを知り、「出たとこ勝負で」見学に行くことにした。ただ、「場所を知らなかったので」職員にも付き添ってもらったという。

 Aさんの場合、職場を見学してから、2ヵ月ほど待たされた。いつ連絡が来るのかなと不安だったという。

 その後、委託先の支援団体の1つで、今回体験発表会を共催するNPO法人「若者と家族のライフプランを考える会」(LPW)で作業することになった。

 1ヵ月に週に3回、午後1時から5時まで、通勤にしんどさを感じ、自分なりにいろいろ工夫しながら通い続けた。

「自分の中だけで考えていると、だんだん煮詰まっていく。それが意見交換することで、解消できました。言葉にしようとすると、なかなか説明できない。でも、自分をテレビの中の出演者のように楽しめることで、居心地の良さを感じました」

 物書きになりたいというAさん。「自分の中でもすごいと思ってることが、世間にとってはどうでもいい」という。しゃべりのとっかかりが苦手なので、その良さを引き出せる誰かがいれば、形のあるものにつながるかもしれない。

「体験記があれば…」
参加希望者の不安を取り除く提案も

 休憩をはさんで、それぞれの若者を囲んで、グループワークが行われ、それぞれのケースに自分たちは何ができるのか。未来志向の対話を通じて、職親制度に対しての提案を話し合った。