ニトリHD、島忠の買収後に「誤算」…前期の増収要因が今期の減収要因にPhoto:Diamond

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はファーストリテイリング、しまむら、ニトリホールディングス、ワークマンの「専門店(アパレル/家具)」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

専門店(アパレル/家具)業界4社
全社増収だが、ニトリは低調

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の専門店(アパレル/家具)業界4社。対象期間は2022年2~6月の直近四半期(ファーストリテイリングとしまむら、ニトリホールディングスは22年3〜5月期、ワークマンは22年4〜6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ファーストリテイリング
 増収率:10.3%(四半期の売上収益5461億円)
・しまむら
 増収率:4.8%(四半期の売上高1493億円)
・ニトリホールディングス
 増収率:0.6%(四半期の売上高2166億円)
・ワークマン
 増収率:12.8%(四半期の営業総収入333億円)

※しまむらは23年2月期第1四半期から収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、影響が軽微なことも踏まえ、当社の開示方法に準じて増収率はその前後で連続性を持たせている。
※ニトリホールディングスは、23年3月期第1四半期から収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
※ワークマンは22年3月期第1四半期から収益認識に関する会計方針の変更を行っており、当社の開示方法に準じて、前年同期の営業総収入には同変更を遡及適応している。

 いずれも前年同期比で増収となった専門店(アパレル/家具)の4社。中でもファーストリテイリングとワークマンの増収率は10%を超えている。ただ、ファーストリテイリングは好調とはいいきれない。

 一方、ニトリホールディングスは増収とはいえ、1%にも満たなかった。こうした状況が生まれた理由は何か。

 次ページでは、データを踏まえて詳しく解説する。