【キーウ(ウクライナ)】ウクライナのフェデックスに相当する郵便・宅配企業ノバ・ポシュタでは、配送する荷物の数が、ロシアによる侵攻前の1日当たり100万個という水準の90%まで回復した。
2月の本格的な侵攻開始後、ノバ・ポシュタの収入は開戦前の2%に落ち込んだ。共同所有者のヴャチェスラフ・クリモフ(Vyacheslav Klimov)氏は「会社が消滅するかもしれないと思った」と振り返る。しかし春になるにつれて、前線から離れた地域では電子商取引や事業活動が再開し、多くの工場が業務内容を変更して軍に物資の供給を始めた。クリモフ氏は「このため、われわれは利益を上げており、将来の投資に向けた資金も幾分かある」と述べた。
ウクライナ経済は、戦争が引き起こした深刻な落ち込みの後、打撃を受けながらも安定しつつある。政策の迅速な実行、軍事面の回復、そして被害を受け、混乱に直面したウクライナ企業が柔軟な対応を取ったことが組み合わさった結果だ。経済が上向いたことは、数カ月間守勢に立たされていたウクライナ軍が最近、同国東部の戦闘で勝利を収めたことと相まって、同国民の士気を高めている。