高齢者専門の精神科医として、30年以上高齢者医療の現場に携わってきた和田秀樹氏が、新著『70代からの元気力』を発売。同書からの一部抜粋で、70代からの人生を充実させるためのヒントをお教えする。今回は、戦後日本人が長寿になった理由と、食生活との関係について。
短命だった日本人がなぜ、
「世界一の長寿」になった?
日本はいまや、世界一の長寿国です。
とは言っても、日本が昔から長寿国だったわけではありません。
むしろ、かつては、日本人は世界の中でも、短命な国民だったのです。
ちなみに、昔の日本人の平均寿命をご存じでしょうか?
100年ほど前、1920年頃は、男性も女性もわずか42~43歳で寿命を迎えていたのです。いまの日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳(男女とも2020年)ですから、隔世の感があります。
男女ともに、平均寿命が50歳を超えるようになったのは、ようやく戦後になってからです。
1960年の平均寿命は、それでもまだ男性が65歳、女性が70歳です。