高齢ドライバー高齢になっても運転をやめたりしないことが、元気な高齢者でいるためには大切なことだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

人生100年時代。現在の70代の日本人はかつての70代とは違います。若々しく、健康になった70代の10年間は、人生における「最後の活動期」とも言えます。70代の過ごし方が、その人がどう老いていくかを決めると言っても過言ではありません。長年高齢者と接している精神科医の和田秀樹さんは、仕事のリタイアや運転免許の返納など、何事においても「引退」をしてはいけないと言います。『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』(詩想社新書)より抜粋します。

何事においても、
「引退」などしてはいけない

 要介護となる時期をなるべく遅らせて、80代以降も元気に過ごすためには、最後の活動期である70代の過ごし方がカギになります。この章では、70代の人がどのような生活を心がければいいのかをみていきましょう。

 定年延長や定年後の再雇用など、高齢になっても働く環境が整備されつつありますが、それでも、70代ともなれば、いままで勤めていた会社を退職している人が多いのではないでしょうか。

 70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです。これまで懸命に働いてきたのだから、退職したらもう何もせず家でゴロゴロ過ごしたいと、指折り退職の日を待っている人もいます。