暗号資産(仮想通貨)取引所大手の米コインベース・グローバルは、利益を生み出すための新しい方法を模索してきた。一つ実際に試してみたのは、自己資金を用いて暗号資産に投機するという、物議を醸す方法だ。事情に詳しい複数の関係者によると、コインベースは昨年、少なくとも4人のウォール街の経験豊富なトレーダーを雇い、暗号通貨の取引や保有に会社の資金を使うことによって利益の一部を生み出すチーム、コインベース・リスク・ソリューションズを立ち上げた。同社関係者はこの活動を「自己勘定」取引と表現した。今年このチームは1億ドル(約141億円)の取引を完了したが、これは新しい取り組みのテスト取引だと考えていたと、関係者は述べている。この取引が行われたのは、コインベース幹部が議会で昨年、同社は自己勘定でデジタル通貨を売買していないと証言した後だ。