北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記を除いては、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領ほど、何の制約もなく核の脅威をちらつかせている指導者はいないだろう。今週、世界はまたもプーチン氏の脅しを耳にすることになった。なぜそのような行動に出るのか? その脅しには確実な効果があるからだ。米国や同盟国は、ロシアが事態を悪化させかねないとの懸念から、ウクライナ戦争への関与を制限している。ウクライナが反転攻勢に出る上で不可欠な武器を提供しつつも、飛行禁止区域の設定といった北大西洋条約機構(NATO)とロシアの直接的な軍事衝突を招くような措置に決して踏み込んでいない。西側諸国はここ数カ月で、ロシアが核兵器の使用に向けて準備を進めている兆候は認められないとしている。とはいえ、プーチン氏が予告通りに核兵器を使う確率はゼロではないため、脅しを真剣にとらえる必要があるという。
プーチン氏の脅しに効果も、核使用なら返り血
戦術核兵器を戦場で使えば「大きな爆発は起きるが軍事面の利点はほぼない」
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