顧客から「うちに転職しませんか」と誘われない人が危機感を持つべき理由以前と比較すると、今は社外から転職の声が掛かりやすいビジネス社会になっている。「最近、面白い人いませんか?」「若手で目立っている人材はいますか?」など、人材ニーズのある企業は常にアンテナを張って探している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ハイクラス人材の求人が殺到
背景に人材戦略の変化が

「持続的な企業価値向上の実現には経営戦略と人材戦略の連動が不可欠だが、目指すべきビジネスモデルや経営戦略と、足下の人材および人材戦略のギャップが大きくなっており、このギャップをどんな時間軸でいかに適合させていくかが大きな経営課題」――。

 2020年9月に経済産業省が発表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」、通称「人材版伊藤レポート」はそう指摘しています。

 確かに企業が新規事業や新しい試みを始めようとするとき、以前の日本企業は自社内の人材で充足しようとしましたが、現在は経営戦略に沿って、最適な人材を自社内にこだわらず社外から採用しようとする傾向が強まっていると感じます。

 というのも、ハイクラス人材の紹介を手掛けている当社には、CxO(Chief x Officer。「Chief=組織の責任者」+「x=業務・機能」+「Officer=執行役」から成る経営用語)人材とそれに準じる人材に対する求人が殺到しているからです。