転職を意識することが多い季節になった。何事も経験から学ぶことは多いが、普通の人はそう何度も転職するものではないだろう。そこで転職を12回経験している筆者が、「転職前」と「転職後」について、注意事項をそれぞれ5箇条にまとめてみた。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
2〜3月は転職の季節
転職12回の経験者の教訓とは?
2月から3月にかけては、「転職」を意識することが多い季節だ。
日本の会社の多くは「年度」が単位になっているので、3月を区切りに職場を変えようと思うことが多かろうし、採用する側でも「新年度から」は切りがいい。
また、外資系の会社の場合、年1回のボーナスが前年のパフォーマンスを基準に査定されて、1月ないし2月に支給されることが多い。ボーナスを受け取ったタイミングに転職をアレンジしておこうと考えるプレーヤーが少なくない。3月は人の入れ替わりが多いし、中には去年の3月に入社したばかりの人が退職のあいさつに来るようなこともある。
読者の中には現在、転職の狭間で有給休暇の消化期間に入っておられる人もいるだろうし、転職が決まっていて、これから退職手続きに入る人もいるかもしれない。
転職について書いた書籍や記事の多くは、転職先をどう見つけて、面接等をどのようにクリアして入社にこぎ着けるかについては詳しいが、転職前後の細かな手続きや心構えについて書かれた文章が案外少ないように思う。