【シンガポール】ドル高に歯止めがかからない中、中国人民銀行(中央銀行)は元安の阻止ではなく抑制に取り組んでおり、ドル高を進行させる世界経済の強い流れに逆らうことの難しさを浮き彫りにしている。  この戦略は、「元相場の管理」と「経済成長の支援」という厄介な政策上のトレードオフに中国当局が直面していることの表れでもある。  元の対ドル相場は年初来で11%下落している。28日にはオフショア元が1ドル=7.2元台に突入し、10余年前にオフショア元市場が誕生して以来の安値を更新した。