英国で小売りなど消費関連企業の一部が資金需要や事業計画の点検を急いでいる。この1年に通貨ポンドが急落し、足元では市場が不安定化、さらに金利が上昇していることが背景にある。ポンドは、英国政府が3日に減税策を一部撤回したことでやや値を戻したものの、1年前の水準を約17%下回る1.13ドル近辺にとどまり、企業に輸入代金の上昇という圧力をもたらしている。英イングランド銀行(中央銀行)は2021年12月~22年9月に政策金利を7回引き上げて2.25%とし、負債依存度(レバレッジ)の高い企業をますます圧迫している。こうした混乱を受けて企業は、どれだけの資金が必要なのか、あるいは、市場とポンドがいずれ持ち直すという期待の下、新たな資金を借り入れなくても乗り切れるかについて確信を持てなくなっている。一部社債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)保証料も上昇している。
英企業、ポンド安・資金コスト高に対応急ぐ
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