米実業家のイーロン・マスク氏は、前言を撤回し、事態の収拾を図る構えだ。同氏は今回の一件が、死者をよみがえらせるきっかけになることを期待するしかない。マスク氏は3日に提出した書類で、かつて瀕死(ひんし)のプラットフォームだと示唆したツイッターについて、当初の提示通り1株54.20ドルで買収することに合意した。数カ月にわたって厄介な争いを続け、審問を直前に控えた中での出来事だ。ツイッターの株価は4日の市場で22%上昇して引けた。マスク氏による買収合意が最初に発表された4月25日以来、同社株は提示価格を平均24%下回っていた。マスク氏はこの最もお気に入りのソーシャルメディアネットワーク(SNS)について、イノベーション(技術革新)のスピードと方向性を公然と批判してきた。突然のように見える今回の変節は、現状への予想外の降伏だ。その理由は現時点では公になっていないが、同氏はボットだらけだとしてここ数カ月嘲笑してきたSNSを所有するだけでなく、プレミアムまで支払うことになる。